就職や転職、また仕事のスキルアップをしたいと考えたときに何か資格を取得しておきたい、と資格勉強に取り組む人が多いと思いますが、その中でもとりあえず取得して損がないとされる資格に簿記2級が挙げられると思います。
日頃行う日常の業務からは想像がつきづらい会社全体のお金の動きというのが、どのようになっているのかを知るきっかけとなり、目の前の仕事が会社全体にどのような影響を与えるのか、また財務諸表を見て競合他社ではどういう動きが起きているのかなど、より大きな視点で今取り組んでいる仕事やビジネスを見るきっかけを与えてくれるので、社会人のスキルアップにはかなり適した資格試験であると思います。
そんな簿記2級なのですが、私も実は取得しております。
余裕で取得できました、と格好良く勉強方法をお伝えできればと思いますが、実は2度試験に落ちております。しかし、どうしても取らなければいけない、という状況下で3度目の正直でかなり苦労して取得した資格でもあります。
なので今回は、私がどういう勉強をして受験に失敗したのかと言う失敗談をお話して行こうと思いますので、これから受験しようとしている方は是非私を反面教師として参考にして下さればと思います。
1:簿記2級を受験した理由
では、まずはなぜ簿記2級を受験することになったかということからお伝えしていきます。エンジニアのはずの私がなぜ簿記2級を取得しなくてはいけなかったのか、というと、単純に初めて就職した会社の始業規則として簿記2級の取得が義務付けられていたためです。
この話をすると、そんな厳しい条件を課す会社があるのかと言われますが、はい、あるのです。
そして私はこの条件を達成できなかったために、4月から働き始めることができず、半年間の無職生活を送り、その後無事簿記2級に合格し、9月から働き出したというあまり笑えない歴史を持っています。(同時期に内定した人で1年間合格できずに、1年遅れで始業した人もいました…)
というように、自らの意思で受験しようとしていたわけではないというのもあるのですが、勉強をおろそかにしてしまい、屈辱的な経験をしてしまった過去を持っている私ですが、今となってはこのような資格ブログを運営するようになっておりますので、何とも皮肉的なことです。
一つ私から言える確かなことは、そんな私で合格できたのだから、皆さん合格できます、安心してください。
ここからは私の失敗体験もお伝えしていきますので、私と同じ轍は踏まないようにして下さればと思います。
2:1回目の受験(不戦敗)
それでは1回目の受験から振り返っていきましょう。1回目の受験は、私が内定を会社から頂き、簿記2級取得の条件を伝えられたすぐ後にありました。
簿記というのは大学でも存在は認知してましたが、どれくらいの難易度なのかは全く理解していませんでしたが、まだまだ受ける機会は卒業までにあるから今回は受からなくてもいいと、腕試し程度に考え軽い気持ちで申し込みました。
そしてそんな気持ちで受験しようとしたが故にもちろん勉強にも取り組むはずなく、内定を獲得し就職活動を終えた私は、意気揚々と学生生活を謳歌しておりました。
そんな状態で迎えた受験日当日、39度を超える発熱を起こし、見事家から一歩も出ることもなく未受験の不合格で初受験に失敗します。
当時の状態で受験していたとしても当然合格することはできなかったと思いますが、打席に立つか立たないか、というのは天と地ほどの違いがあります。
たとえ失敗に終わったとしても、その本番の状況などを経験することで、一番効率よく自分に足りないものに気づくことができます。
また、本番当日に一番良い体調で臨めるように調整すると言うことは運動に限らず勉強でも同じことが言えると思います。なので資格試験だからといって、風邪でも体さえ動けばそれで良いというわけではなく、しっかりと頭が働いて、試験に集中できる状態に心身を整えることを意識することをお勧めします。
3:2回目の受験(惜敗)
1回目の受験が不戦敗に終わり、その後も勉強に身が入らず、結局入社直前の最後のチャンスに賭けて勉強することを決意した私ですが、結果は既にお伝えした通り失敗に終わります。
簿記は70点以上で合格ですが、私の点数は69点でした。結果を見たのは卒業旅行に行ってる最中でしたので、その後の旅の記憶はあまり残っておらず、「無職」というそれまで考えたことのない2文字がずっと頭の中でループしていたのを今でも覚えています。
そんな2度目の失敗を経験したわけですが、今振り返ると反省すべき点というのは2点あると思うので、それをここでは共有しておこうと思います。
1:無計画
戦の勝敗は戦が開始する前に既に決まっていると言われるほど、事前にどれだけ緻密に計画を練ったかは勝敗に影響します。資格試験も同様で、どれだけ良い計画を練れたかで合否が決まると言っても過言ではないと思います。ちなみに、良い計画というのは私の中では、毎日ぎりぎり限界の勉強量を設定してとにかくそれをこなし続けること、というわけではないと思っていますが、その話はまた後日したいと思います。
とにかく、簿記を受験した際の私は計画性は皆無でした。試験日は決まっていましたが、それ以外は何もなく、いつまでにどこまで教材を終わらそうみたいなものすらなく、気が向いては参考書をパラパラめくり何となく理解したつもりの状態で勉強を進めていました。
最初は3級からとりあえず勉強しようと3級の参考書を読んでましたので、その後に待ち受ける2級の勉強量なども把握しておらず行き当たりばったりで、気がついたら試験までの日数に対して残りの勉強量が圧倒的に多く、全部を勉強することを諦め、とにかく出そうなところだけを勉強するみたいな付け焼き刃の勉強方法に変更したことを覚えています。
今思うと、この無計画のまま勉強を始めた時点で私の負けはほぼ決まっていたようなもので、あと1点で合格できなかったとは言っても落ちるべくして落ちたのだと思います。
簿記に限らず、何かを成そうとするのであれば、照準を定めて取り組んだ方が遥かに効率も上がると思うので、皆さんもどれくらい時間がかかりそうかということと、本番までにどれくらい時間が残されているのか、ということは一度考えてから勉強を始めることをおすすめします。
2:圧倒的実践経験の少なさ
そして、次の敗因は実践経験の少なさです。資格試験の実践経験とはどれだけ過去問を解いたかということと同義と考えて頂いて大丈夫です。
先ほどもお話しましたが、当時の私は参考書をパラパラと読んでなんとなく理解したつもりになっていただけにすぎませんでした。なので、実際に問題として参考書で読んだ範囲が出題されても計算の仕方はすぐに出てきませんし、簿記は途中で計算を一つでも間違うと答えもずれてくるため不正解になるという経験ばかりでした。
参考書を読むインプットも最初は必要ですが、それより必要なのが過去問を解くアウトプットです。実際の問題を解く練習をしておかないと、インプットした知識をどのように繋げて計算していけば良いのかということが理解できないままになってしまうからです。なので、参考書から得たインプットを最大限に活かせるようにするためにも、より多くの実践経験を積むことが必要になるのです。
今となっては当然のことに思いますが、当時の私はそれができませんでした。それには2つ理由があると思いますので紹介していきます。
1:順を追って勉強したくなる
これは何の勉強をするにしても、皆さん同じような考えをお持ちではないかと思います。問題を解き始めるのはまず参考書での理解がちゃんとしてから、次の章を読むのは今の章が理解できてから、と言った風に今自分が手をつけている部分を完璧にしてから次に進みたいという状態ですね。
一見至極真っ当な勉強方法に思えますが、実際はうまくいきません。例えばピアノの練習でも似たようなことを経験したことがありますが、両手で曲を弾けるようになるのに、まず右手、続いて左手、そして両手と練習した場合、右手・左手で片手で弾けても両手で弾くときに弾きやすくなるということはありません。結局片手でどれだけ上手く弾けても、両手で弾けるようにはならず、両手で弾けるようになるには両手で弾く練習をしなくてはいけないと言うことですね。
これと同じように、勉強においても、段階を分けてインプットをしっかりとしてから過去問を解くアウトプットをしたくなる人は多いと思いますが、どれだけインプットをしっかりしても過去問を解けるようにはなりません。さらに言っておくと、参考書を完璧に理解するまでどれだけ繰り返し読んだとしても、完璧に理解した、と自信を持った状態にはならないと思うので永久に読み返さなくてはいけないことになると思います。
なので、次のステップに行く準備がしっかりできた、と思えるまで待つのではなく、ある程度時間を使ってインプットしたならば、できる限り早くに過去問など実践形式のアウトプットに手を出して行った方が勉強効率は上がると思います。
2:できないことからの逃避
1つ目でお伝えしたように、準備が完全に整わない状態で過去問を解き始めたは良いものの、過去問を解き始めるとすぐにぶち当たる壁が存在します。それは、完全に理解できてないが故に問題が全然解けないと言うことです。問題に手も足も出ないとなると自信を失い、間違う・わからないことが嫌で問題を解くことが億劫になり、再び参考書に戻ったり、勉強そのものから逃げ出したりしてしまいます。
このできない自分に直面しても、折れずに問題を解き続けられるか、ということが勉強を先に進められるかに大きく関わってきます。私はこれができなかったがために、2回目の受験でも結局過去問をまともに一通り解いたのは直前の1回のみ、あとは問題と解答を見比べたりしながらわかった気になるという、できない自分を受け入れられない状態で勉強を続けることとなりました。
その結果わずか1点が足りずに不合格となり、半年間無職の生活を送ることになったわけですから、こんなことになるなら解けない自分を受け入れられないなどというつまらない理由で過去問から逃げなければ…と後悔したことは言うまでもありません。
4:まとめ
というようなわけで、簿記2級に2回失敗した経験を共有させて頂きました。私のように入社できるか否かがかかっているという人は少ないと思うので、参考になったかはわかりませんが、こう言う風に勉強したら落ちるな、と言う勉強方法はお伝えできたのではないかと思います。
私がこれらの失敗経験を糧に、3度の正直で合格した時の勉強方法はまた別の機会にお話しさせて頂こうと思いますので、楽しみにして頂ければと思います。
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